第5回:中根理 [参加アーティストプロフィール]
生活と創作の境界線を越えて生み出される作品は、鑑賞する人に穏やかに語りかけ、静かに内観する時空へと誘う。
豊田市在住・三児の母。
<作家による自己紹介>
「内側にある光」を求めて20代の頃からいろいろな素材、主に自然素材を使い草、こうぞ、ミツロウ、ガラス、はちみつなどその時使ってみたいもので製作して来ました。
学生時代は染織を専攻していたので、草木染め機織りなど伝統的なことを学んでいましたが、卒業後愛知県児童総合センターの立ち上げスタッフとして声をかけてもらいそれから13年「アートと遊びをつなげる」プログラムづくりを担当していたことで企画展で一緒にお仕事させてもらうアーテイストさんの影響を受け私の作品もインスタレーションという形に代わって来ました。
長男出産を期に退職した後は主人と「足助の街並み芸術散歩」を企画したり「農村舞台アートプロジェクト」に声をかけてもらい4回ほど参加させてもらいました。
農村舞台は「つながりの間」という農村舞台の内側を障子紙でおおって真っ白な空間を浮かび上がらせました。 そこで観る人それぞれが静かな気持ちになり移ろいゆく光や影の変化をゆっくり感じ取って、ぼーっと心に隙間を作って欲しいという思いがありました。
普段生活をしているとアレをしないと、これやらないとと心が忙しくなり閃きの様な感覚を忘れてしまうので、この様な場所の提案をして来ました。
展示ごとに中根栄二(夫)の作品を配置することで、輪を覗き込み向こうの世界とつながる、アルミの球体のオブジェや大理石の水盤に水をはり、映り込む世界をのぞき込むなど、メッセージを込めました。
「デカスプロジェクト」を始めるからと声をかけてもらって、「木のしたで子どもとおとなアートであそぼ」を企画した時は私の頭の中にこの写真の様な風景がパッと浮かんで来ました。作家活動をつづけていると自分の周りにたくさんキラキラ自ら光輝いてる人がいたので、こんな楽しき生き生きした大人がたくさんいるんだよっと子ども達に見てもらいたくて企画し2回実施しました。
今回のはちみつの作品ハニータワーは「空の庭」という作品シリーズの中の1つです。銀箔と蜜蝋を使った作品が最初でした。その後、銀箔が鏡に変化。蜂蜜のみずみずしさをそのまま使いたいというここと空気や呼吸を見える形にしたい。手の中で転がして「ぼーっと」眺めていたいという思いを持っていたらあるときフット吹きガラスと思いつき、お友達の工房に行って作らせてもらいました。
タワーという形にしたのは自分の中心に天と地からのエネルギーを通す柱を通したいという思いがありました。中には吹きガラスの中にたくさんの光の玉がうつりこみ無限の可能性を示しています。
「空」「間」が思いのたねの無限の可能性が波紋のように広がるりを生むのではないかといつでも「ぼーっと」何かが芽生えるスペースを心に用意しておくのです。
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